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2019/08/05

抵抗

いのちの権利と尊厳の敵にとって、何よりも恐ろしいのは人間の善き本性である。

生きていることを、そこで抱いた想いを、他の人と共に分かちあおうとする想像力や共感力。いのちを感じ、共鳴し、信じる力。
人間が人間たる心を持つこと。持とうと努めること。
そうした気持ちを伝え合うこと。
言葉や表現、芸術、音楽は、人間の魂を天が与えたもう本来の姿に目覚めさせる力がある。


人間をコマにしかしない、道具としてしか認めない国家権力は一人ひとりがその人間性に気付くのを何よりも恐れている。
その人にしかない感覚、感情を発動させてしまったら、考え始めるようになってしまい大衆としてコントロールしにくくなるから。
「弾圧がきついときほど、敵も危機的な状況だ」というのは、そうなんだろうと思う。情勢は最低だけど、これ以上悪くしないために今、しっかり向き合わないと後悔してもしきれなくなる。瀬戸際だ。

(それにしても!津田大介さんに対してネガティブなことを言う自称知識人な方たち、ほんとうに恥ずかしくないの?と思う。
「誰が敵なのか、分かってますか?ぎりぎりのところで闘っている人に対して外野からヤジ飛ばすのやめましょうね。最高にかっこ悪いから」って言いたい。ここまで悪化した情勢のなかで、心があり、勇気をもって行動した人を偉そうに批評してパワーレスさせるのもうやめて。本当に気分が悪い。政府も社会も散々だけど、良心があるはずの側もこんな意識なのかとうんざりする。)



ピアニスト 崔 善恵(チェ・ソンエ)さんのアルバム 「Piano, my Identity」を繰り返し聴いている。 彼女のピアノは一音一音がどこまでも深く丁寧で、人間の世の慟哭の歴史、生きることの力強さと美しさをしみじみと伝えてくれる。
このアルバムはブックレット/ライナーノーツが、収録されている音楽と双璧をなす素晴らしさで、崔さんの詩のような文章が音楽の美しさと凄みを更に感じさせる。(本田雅和さんの解説も、ものすごい重み・・・。)ほんとうに大切な宝物の一枚だ。

ナチスのファシズム政権下でショパンを聴いただけで殺されていった人たちのことを想う。
アイルランドの詩歌を口にしただけで殺されていった数え切れない人たちのことも・・・。

魂の自由と歓びを、またそれを阻害する闇への抵抗。人間が人間であることを喚起する芸術、言論、音楽。表現の自由を手放すということは、自分自身として生きる機会を放棄するということ。

ここで負けてしまってはならない。
心をしっかりと持って、想いある人や歴史とつながって。
敵が一番恐れているものが、私の人生において最も求めている生きる意味そのものなんだということ。だから、この抵抗は私の人生にとっての生きる歓びと感謝、想うこと、伝えること、出逢うこと、全てがそのまま活かされる。