【記事】
安倍元首相の銃撃事件にショックを受けているあなたに 「誰もが心に傷を受ける可能性があると知って」
安倍晋三元首相の銃撃事件にショックを受けている人は多いでしょう。報道を見て不安や恐怖が強くなったり、日常生活がままならなくなったりしたら、どう対処したらいいのでしょうか? 子どものこころ専門医に聞きました。
(Buzzfeed japan 岩永直子さん取材)https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/shinzo-abe-mental-careニュースがテロ一色で、ここからどこに人々を連れていこうとしているのかを考えると暗澹たる気持ちになります。
2月24日のロシアのウクライナ侵攻、そして今回の白昼テロ。
こどもたちにテレビを見せることも、大人たちが見続けることも、ほんとうに止めておいたほうがいいと感じます。
2001年の9.11の米国同時多発テロ事件から一ヶ月たったころにテレビを家から撤去する決断をしました。大学一年生で一人暮らしだったからできたことでした。
あれから20年余。
店や病院でたまにテレビを見ると、見たくなくても目と意識を持っていかれることに驚きます。
映像の刺激ってすごい。
それも繰り返して…。
肝心なことは報道されない中で。
人間の感覚は慣れから麻痺させられるものですが、テレビはその最たるものの一つだと感じます。
どんな立場の人も、この事件とこの事件をめぐり揺さ振られています。
私自身、考えたくないのに考え続けてしまいます。長年、本当にあの首相の取った政治家としての愚かさに怒り、無力感に悶え、苦しめられてきた自分の歴史があるからです。
それは、このブログを書いたものを読み返しても感じます。
事件当日の夕方、整形外科のテレビで見てしまった心肺停止状態の彼の姿。その場の惨状。
一度だけだったのに、脳裏に焼き付いて離れません。これをずっとみんな見ているんですか??
メディアの在り方に、傷ついている。加害者の卒業アルバムに書かれた将来の夢についての記述。尋常じゃないスピードで彼の身辺から彼の同級生の誰かから卒業アルバムを買い上げたメディアのやりようはクレイジーです。
どの事件もそうだけど、どうして、そこまで実況中継する必要があるのでしょう。
殺人現場や悲惨な事件、戦争の実況中継。そこまで克明に報じる意味がわからない。いや、きっとそこにいる人が分からなくても、そこに突き進んでいってしまう、そういう人間社会の在り様があるのだと思います。
ひとりひとりには分からなくても、大きく心を揺さ振られて、でもそこで本当に起きていることを見据えないととても危険。
悲惨な事件の後に、類似した事件が誘発され起きていることもメディアの責任は重いです。
一人ひとりの人間としての当然の気持ち、怒りや悲しみや、そうした気持ちがからめとられていってしまうことを、ウクライナ侵攻でも改めて感じてきました。いま、元首相が凶弾に倒れたことで、ヤスクニ、みたいになりはしないか心配です。
「家族を守りたい」が侵略戦争になっていった歴史を踏襲しはしないでしょうか。
日本のメディアが民主党政権時にどれだけアンチな報道を常態化したか、私は覚えています。
原発再稼働に反対するひとたちや、有事法制に反対する人たちが万単位で国会を囲んでも、なんら報道しなかったことを覚えています。
殺された元首相がしてきた汚職について、きちんと報道できるメディアはいますか?
「ご遺体」と変な丁寧語を使うのは本当に戦争の道への回帰じゃないですか?
流れてくる映像に侵食されてしまわないように、心しての注意が必要だと思います。